伝統工芸「組子」の魅力を際立たせた抹茶碗のコレクションボックス

ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の伝統工芸「組子細工」をふんだんに使った抹茶碗の飾り棚です。
抹茶碗とは、日本の伝統文化である「茶道」で用いられる、抹茶を飲むための器です。
抹茶碗は日本各地の焼き物の産地で作られており、多種多様な種類があります。茶道では抹茶碗は美術品のように扱われ、鑑賞する場面もあります。
本作品は、大切な抹茶碗を美しく飾り、いつでも鑑賞できるように作られた棚です。抹茶碗を鑑賞した後は、棚を蓋で閉めて保管しますが、棚自体も美しい組子細工で作られているので、それだけでも鑑賞する価値があります。
作品のコンセプト
日本の伝統文化「茶道」×日本の伝統工芸「組子」
日本文化の最高峰ともいえる「茶の湯」を「組子細工」をコラボさせ、日本の伝統文化を強く感じられる製品を目指しました。
茶道について
茶道は千利休によって大成され、抹茶を点て、飲むという行為を通して、禅のおもてなしの精神や侘び寂びの心を追求する文化へと発展しました。
日本を訪れる外国人も、日本文化の集大成である茶道に興味を持つようで、抹茶を飲んだり、お茶を点てる体験は大変人気です。
それだけでなく、母国に帰ってからもお茶を楽しみ続けるために、茶道具を購入する人もいるほどです。茶道は抹茶碗、茶筅、抹茶など、お茶を点てるために必要な最低限の道具があれば始められます。
組子細工について
組子とは、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「日本の伝統建築」に含まれる技法の一つで、日本の伝統建築において、戸、障子、襖、窓などの建具を作る際に用いられる技法です。厚さ1~3mm程度の木材を精密に切り出し、釘を使わずに幾何学的な模様に組み上げる技法で、その起源は飛鳥時代にまで遡ると言われています。
組子は、その造形の美しさと手仕事の緻密さから、究極の贅沢品として崇められています。高級旅館や料亭の建具や内装にも多く用いられ、見る人の心を豊かに彩ります。また、建築物だけでなく、日用品や小物にも幅広く用いられ、日本の伝統文化を身近に感じられるアイテムとして人気です。

組子の柄は200種類以上ありますが、中でも最も人気があるのは、本製品にも使われている麻の葉柄です。
釘を一切使わず、手作業で複雑な模様を組み上げていく組子細工は、高度な知識と経験、そして忍耐力を必要とする作業です。
熟練した職人の不足に加え、制作には長い時間がかかるため、人気があるにもかかわらず大量生産は難しいのが現状です。
しかし、私たちは日本文化を伝える究極のプロダクトとして、「茶の湯」と「組子細工」のコラボレーションに挑戦しました。
それが、今回ご紹介する「組子細工を用いた抹茶碗を飾る棚」です。抹茶碗を美しく飾ることができ、かつ組子細工の美しさを際立たせる棚が完成しました。
完成までの困難な道
幅広い技術を持つ稀少な職人によってのみ作られる作品
「組子で抹茶碗を飾る棚を作る」という構想から実現に至るまでには、幾多の困難を乗り越え、完成まで2年以上を要しました。
全国的に見ても組子職人の数は多くありません。しかも、職人の技術レベルはまちまち。独学で始めた人もいれば、伝統を受け継ぐ名匠のもとで弟子入りし、しっかりと技術を習得した人もいます。
職人のレベルの違いは作品の精度に最も表れるため、優れた技術を持つ組子職人を見つけることが最初のハードルでした。

さらに、組子細工は近年人気が高まっており、職人は非常に多忙です。店舗や住宅の建築に組子を取り入れようと考えるケースも増えています。そのため、熟練の職人ほどスケジュールが詰まっており、協力してくれる優秀な職人を見つけるのは容易ではありません。
一番難しかった理由は、この「抹茶碗飾り棚」を作るには、組子職人の技術だけでは足りなかったからです。
組子職人の多くは、日本建築の襖や障子を作ることを専門とする「指物師」であり、棚などの家具を作ることは専門ではありません。精密な棚を作るには、家具作りの技術が必要でした。
このプロジェクトでは、組子細工と家具作りの両方において高い技術を持つ職人を見つける必要がありました。
私たちは日本中の職人に連絡を取り、両方の技術を持つ職人を探しました。
そしてついに、私たちの協力を快く引き受けてくださる稀有な職人を見つけることができ、この作品を完成させることができました。
作品の特徴
高品質の柾目ヒノキ材を使用
希少で高価な柾目のヒノキを使用し、上品で洗練された印象を与える作品に仕上げました。また、柾目を使用することで、木材の変形が少なく、長期間安定した状態を保つことができます。

抹茶碗を美しく引き立てます
均一な木目が、置かれた抹茶碗の美しさを美しく引き立てます。日本には「余白の美」という美意識があり、抹茶碗を飾った際にも余白の美しさを感じられるデザインとなっています。

アートパネルのように鑑賞できる組子の蓋
蓋には組子細工が施され、障子を思わせる和風のデザインです。背面は和紙調のアクリル板、前面は透明アクリル板で覆われており、光を透過することで組子模様が立体的に浮かび上がり、アートパネルのような美しさをお楽しみいただけます。
蓋は手で引き上げるだけで簡単に開けられ、付属のスタンドに立てて置くこともできます。

抹茶碗以外のアイテムも飾れます
抹茶碗、棗、茶筅、建水などを飾れば、茶道具一式の飾り棚としてお使いいただけます。また、日本各地のお土産として購入した民芸品を飾るのも素敵です。

どんなインテリアにも合うデザイン
かわいいキューブ型のフォルムとコンパクトなサイズ感で、和室だけでなくどんなインテリアにも合わせやすいです。
また、左右の脚は指を引っ掛けられるようカットされているので、持ち運びにも便利です。気分に合わせて様々な場所に移動させ、インテリアアイテムとしてもお楽しみいただけます。

メンテナンスが簡単
組子細工は美しい一方で、ホコリがたまりやすく、定期的なメンテナンスが必要です。一般的にはエアスプレーや静電気を利用してホコリを除去するハンディモップなどでホコリを落としますが、本製品は組子細工部分がアクリル板で覆われているため、そのような手間がかかりません。また、蓋を閉めることで、ホコリなどの異物から収納物を守ることができます。
さらに、本体には蝋引きの塗装をしているため、汚れがつきにくくなっています。ただし、濡れたり汚れたりした場合は、すぐに拭き取ってください。
この作品の製造風景
(1) あられ組
本作品の本体は、伝統的な木工技術「あられ組」を用いて組み立てられています。
あられ組とは、釘やネジを使わない接合方法で、本作品では棚板の左右と天板の接合部に用いられています。
このあられ組を手作業で行える木工職人は限られており、木工技術のステータスシンボルともいわれています。
(2) ホゾ継ぎ
その他の接合部には、伝統的な木工技術「ほぞ継ぎ」を採用しています。
ほぞ継ぎとは、木材をネジや釘で接合するのではなく、様々な接合部に加工し、それらを接合することで固定する伝統的な木工技術です。
写真は本作品の蓋枠です。
(3) 三つ組手
こちらは組子細工の土台となる「三つ組手(みつくで)」を製作しているところです。専門用語では「地組み(じぐみ)」と言い、絵画のキャンバスのような役割を果たします。
(4) 組子柄を作る
設計図を見ながら、三つ組手の中に柄を描きます。薄く割った木で溝や角をつけ、小さな木片を組み合わせて組子柄を作ります。少し大きめの部材を槌で打ち合わせることで、釘を使わずに強固な接合部を作ります。
(5) 削り仕上げ
美しい木目を際立たせるため、日本の手鉋で表面を磨き上げます。
鉋をかけた後、木材を保護するために「蝋引き」と呼ばれる塗装を施します。これにより、木の色がより鮮やかになり、変色も防ぎます。
(6) 本体と枠の組み立て
完成した組子の四辺に枠を取り付けます。
組子の美しさを間近で体感
亀の甲羅をモチーフにした六角形の組子模様は、長寿を象徴する縁起の良い逸品です。
組子細工だけでなく、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本の建築技術を随所に用いた逸品です。
材料の調達から設計、製造まで、一人の職人が手間暇をかけて作り上げています。
ぜひこの素晴らしい逸品をお求めになり、間近でご覧ください。